新潟、もしくは越後長岡と聞いてイメージするものはなんでしょう。これからの季節だと、やはり雪かもしれません。日本有数の豪雪地帯である越後の雪は、さらさらのパウダースノーではなく、日本海からの湿った風を受けたずっしり重いベタ雪。ここで暮らす人にとっては少々厄介で気が滅入る雪ではありますが、雪国ならではの資源もあるんです。
その中のひとつが、古民家などに使われている古い木材。いま、住居やオフィスのリノベーション材料やインテリアの素材として、全国的に脚光を浴びています。
長岡市不動沢、越路地域にある「井口製材所」は、豪雪地帯の冬を耐え抜いた良質な古材を「越後古材」として国内外に広めている会社。在庫量が日本トップクラスを誇る1万本の古材のほか、古道具や家具、骨董など時代の空気を醸し出す古物全般が揃う同社には、映画やTVドラマの制作スタッフもやって来ます。お会いしたのは三代目で30歳の若き専務、井口達哉さん。東京から長岡に戻って3年目、フレッシュな感覚で古材をPRする井口さんが、“古き良きもの”が詰まった12棟の倉庫を案内してくれました。