新潟の「魚のアメ横」。
はるか佐渡沖まで及ぶ、豊富な漁場に恵まれた寺泊(てらどまり)。ここには、多くの観光客が訪れる人気のスポットがあります。国道沿いに、大型鮮魚店が軒を連ねる市場通り、通称「魚のアメ横」。目玉は、その時期に揚がった、もっとも旬の地物。「1月はヒラメ、タコ、アンコウ、カレイ。だいたい6月の半ばくらいまでは同じ顔ぶれで、そのあとは7月半ばまでアマダイが穫れます。8月の末になると、今度はノドグロ。10月をすぎると、またアマダイを穫って、12月に入るとヒラメ、タコ、アンコウ、カレイが穫れるようになります」教えてくれたのは、還暦を過ぎた今もなお現役の漁師である金田一彌さん(68歳)。金田さんの漁船、「宝丸」の乗組員は、同じ漁師の道を選んだ息子さんと金田さんの二人。「せがれが漁師になった時、ちっとも嬉しくなんかなかったですよ。一人でやったほうが気ままだからね」。かく言う金田さんも、漁師だった父と同じ道を選んだ一人です。