1月15日は小正月。小豆粥を食べる、繭玉を飾る……、全国各地にさまざまな習わしが伝えられています。
なかでも「どんど焼き」「サイノカミ」と聞くと懐かしさを覚える方もいるのではないでしょうか。お正月にお招きした年神様を火にのせて天にお返しする祭りです。正月飾りや書初めなどをその火で焼き、字が上手くなるように願ったり、また、その火で餅やスルメなどを焼いて食べると、その一年、無病息災で過ごせるなどの言い伝えがあります。
全国各地のサイノカミ行事のなかでも「奇祭」と呼ぶにふさわしい祭りのひとつが、今年、なんと13年ぶりに復活を遂げました。
それが新潟県長岡市小国町の法末(ほっすえ)集落のサイノカミ、「道楽人形」。猛々しい巨大な男根がそびえ立った、人の背丈をはるかに超える大きな藁人形(道楽人形)を作り、燃やす伝統行事です。エロティックかつユーモラスな人形を燃やす様は、まさに「山奥の集落の奇祭」!
近年の人口減少にも負けず、法末に集落ができてから約500年もの間、脈々と受け継がれてきた伝統文化でしたが、2004年に中越大震災が起こり、遂に作ることを断念。しかし、一昨年、若者による山村活性化の取り組みのひとつとして、首都圏の若者が「留学生」として法末を訪れ、道楽人形の写真を発見したことが復活のきっかけとなり、途絶えてしまっていたこの祭りを、集落のお年寄りたちと、若者たちの手による共同作業で復活させる試み、「ムラビトになる旅」ツアーが開催されることになりました。
「な!ナガオカ」では、昨年秋、道楽人形の藁となる「稲刈り」の様子を取材し、『小国の「道楽人形」の復活へ。一泊二日の「ムラビトになる旅」体験レポート』にまとめていますので、こちらもぜひご覧ください。
いよいよやってきた今年の小正月。どんな道楽人形ができ上がったのでしょうか。「ムラビトになる旅」ツアー参加者たちの前日の準備から、当日の祭りの様子までをレポートします。