眠らない体育館。
時計の針が、夜の9時を回るころ。アオーレ長岡の体育館にはこうこうと灯りがつき、リズミカルな音楽と、ひときわ明るい女性の声が響き渡っています。声の主は、Y’sバトンスタジオの代表を務める上杉栄美さん(42歳)。そして、音楽にあわせてバトンを自在に操るのは、Y’sバトンスタジオの生徒たちです。バトン(Baton)トワリング(Twirling)。直訳すると、「棒回し」。何も知らない人が見たら何の変哲もないただの「棒」が、バトントワラーの手にかかれば、たちまち華麗に宙を舞うバトンに早変わりします。「バトンにはダンスの要素もあれば、体操の要素もある。競技スポーツとしてだけでなく、パフォーマンスとしても、一つの芸術としても極められるんです。一本のバトンがここまで変化して、いろんな表情を見せてくれるんだということを、ぜひ多くの方に知って欲しいですね」そう話してくれた栄美さん自身もまた、バトンに魅せられた一人です。