長岡市と国内最大級の公的研究機関「産業技術総合研究所(産総研)」、長岡技術科学大学の3機関による「長岡・産総研 生物資源循環 ブリッジ・イノベーション・ラボラトリ(NAGAOKA・AIST-BIL)」が11月7日、ミライエ長岡5階ギャラリーラボ内に開設しました。
産総研のBIL開設は全国2か所目で、連携の枠組みに自治体が参画するのはNAGAOKA・AIST-BILが初めて。「有機廃棄物を含む生物資源の資源循環」をテーマとした研究開発や、長岡市とその周辺地域の食品・バイオ関連等の企業支援を連携して行っていきます。
同日に開催したキックオフイベントには長岡バイオエコノミーコンソーシアムの会員企業をはじめ約100人が出席し、来賓祝辞に立った経済産業省産業技術環境局の大臣官房審議官・田中哲也さんと長岡商工会議所の会頭・大原興人さんが、NAGAOKA・AIST-BILによる産業の創出と成長に期待を寄せました。
NAGAOKA・AIST-BILの宮房孝光プロジェクトマネージャー(産総研)は「今は廃棄されていても、それは汚物や不要物ではなく“未活用資源”。価値を高めて長岡から社会に送り出す」と意気込みを語り、BILの始動としてまずは
・日本酒製造における残渣(酒粕)から、機能性成分の解析から発酵食品のブランド化
・米菓製造における残渣(米のとぎ汁)から、高付加価値物質に生産
・生ごみバイオガス発電センターにおける残渣から、病害防除に役立つ生物製剤の開発
の3テーマに取り組むと発表しました。
トークセッションでは、磯田市長、技科大の小笠原渉教授、宮房プロジェクトマネージャー、そして長岡企業から岩塚製菓の常務取締役マーケティング本部長・阿部雅栄さん、プラントフォームの代表取締役CEO・山本祐二さんが登壇し、「長岡のバイオ産業の未来とBILへの期待」に意見を交わしました。
磯田市長は「技科大に、産総研の研究力が加わり、産業界の成長を推進する力強い拠点ができた。市内はもちろん、全国の企業から長岡を実験フィールドとして使っていただき、そのモデルを全国に発信していきたい。スタートはバイオだが、ものづくりをはじめとするすべての産業界からBILを活用してほしい」と語りました。