長岡市には、神楽南蛮や枝豆といった特色豊かな農産品がある。市内の大口地区で生産されている「大口れんこん」もその一つ。シャキシャキとした歯ざわりが自慢のブランド野菜だ。ほとんどが新潟県内のみで消費されているのにもかかわらず、年間売り上げはおよそ5億円。長岡市内で生産される野菜のなかでも、ダントツの売り上げを誇っている。
日本の農業全体が高齢化や後継者不足に苦しむなか、大口ではれんこん栽培に可能性を見出し、新規就農する若い人たちがいる。その背景には、れんこん栽培がもつ魅力に加えて、参入者を増やすための柔軟な受け入れ体制があった。農業をとりまく状況が厳しさを増す昨今、大口れんこんの一体何が若い人たちを惹きつけるのか。その手がかりを求めて、実際に農業を始めた若者たちと、長年れんこん栽培の仕組みを整えてきた「大口れんこん生産組合」の両者に話を聞いた。